印刷について
◆パット印刷
パット印刷とは 柔らかいシリコンパッドを印刷謀体として一次転写し(ハンコのようなものを作るイメージ)、被印刷物に二次転写をするというオフセット印刷の一種であり、平面だけでなく、凹凸面・曲面等あらゆる形状の立体物への転写を主とする印刷です。
単色刷りが基本ですが 多色刷りの場合はその色数分の重ねて色を印刷することになります。
【印刷可能なもの】
プラスチック、紙、木、金属、繊維製品、革、合皮、ガラス、陶器
【メリット】
・曲面や凹凸面に印刷できる
・細かい文字や図柄の印刷が可能
・乾燥が早く、比較的納期が短い
・比較的低コストで印刷できる
【デメリット】
・グラデーションの印刷はできない
・広い面への印刷は制限がある
・広い面へのベタ塗り印刷はムラができることがある
◆フルカラー印刷
家庭用のインクジェットプリンターと原理は同じで、CMYKの4色のインクを霧状に噴射して印刷します。UV光(紫外線)を照射することにより、製品にインクが定着するため、鮮やかな色彩表現も得意としています。
版を必要としない印刷方法ですが、代わりに印刷用のデータを作成する必要があります。
※CMYK=シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック
【印刷可能なもの】
プラスチック、木、金属、繊維製品、ガラス
【メリット】
・写真やグラデーションなどを綺麗に印刷可能
・多色の小ロット制作におすすめ
・白インクを同時プリントすることで、濃色製品でも高発色
・白インク無しで、製品色を活かした印刷も可能
【デメリット】
・0.3㎜以下の細かい線や隙間は潰れる可能性がある
・CMYKでの色表現に限られ、金銀等の特色は再現不可
◆シルク印刷
シルクスクリーン(インクが通過する穴と通過しない穴があるメッシュ状のもの)製の版にデザインを反映し、インクが通過する穴にインクを盛ってヘラで押し出して印刷する方式です。もともとはシルクで版が作成されていましたが、現在ではポリエステルやナイロンなどの合成繊維が用いられています。
【印刷可能なもの】
プラスチック、紙、繊維製品、ガラス、陶器
【メリット】
・低コストでの大量生産が可能
・多くの素材への印刷に対応している
・はっきりとした鮮やかな色彩で印刷できる
・使用できるインクの種類が多い
・金、銀、蛍光インクなどの特色にも対応
・インクの耐久性が高い
【デメリット】
・少量生産では割高になる
・多色刷りでは製版コストがかさむ
・印刷、乾燥に時間を要する
◆熱転写印刷
熱転写印刷とは、デザインを専用のシートに印刷して、そのシートを熱で対象物に圧着する印刷方法です。ポリエステルやナイロン、綿といった幅広い種類の生地に対応し、発色がよく生地の色を問わず印刷できることから、主に布製品のフルカラー印刷に用いられています。
版を必要としない印刷方法ですが、代わりに印刷用のデータを作成する必要があります。
【印刷可能なもの】
繊維製品
【メリット】
・生地の色に左右されず、鮮やかなフルカラー印刷に対応
・ドライ素材などさまざまな生地に印刷できる
・細かなデザインに対応可能
・グラデーション
・小ロットのノベルティ制作に向いている
【デメリット】
・通気性が悪い
・貼り付けたような仕上がりになる
・細かい印刷が剥がれてくる場合がある
◆箔押し/素押し
(
箔押しは、インクではなく「箔」を使用して印刷するもので、熱と圧力を用いて「箔」を転写するものです。
箔押しの部分はキラキラとメタリックに輝くので、白い紙に箔押しをするだけでも一気に高級感が増しますし、カラー印刷と組み合わせても印象的に仕上がります。
※箔とは、金・銀・銅などの金属を薄く叩き伸ばしたもの。(例:金箔など)
素押しは、箔押しと同じ要領で「箔」を使わずに、素材に圧力をかけ、窪んだ立体感のあるデザインにするものです。
【印刷可能なもの】
プラスチック、紙、革、合皮
【メリット】
・インクでは表現できない高級感を演出
・紙の場合、エンボス加工などとの組み合わせで効果倍増
【デメリット】
・データ作成に手間がかかる
・印刷する媒体、形状によっては剥がれる可能性がある
・コストが割高
・細かすぎるデザインは潰れ、かすれの原因になる
◆刺繍
布や革の上に刺繡糸と刺繡針を使用して装飾を施すもので、 プリントなどに比べて立体感がある分、製造に手間がかかるため、完成品は高価になる。
【刺繍可能なもの】
布製品、革、合皮
【メリット】
・刺繍ならではの高級感がある
・プリントに比べると耐久性に優れ、洗濯や乾燥機に強い
・加工部分へのアイロンが可能
【デメリット】
・色や形に制限があり細かいデザインや色は表現できない
・刺繍の面積によって、コストの上がり幅が大きい
・仕上がりまでに時間やコストがかかることがある